去年お世話になってない人に「今年もよろしく」と言ってしまう自分が恥ずかしい。
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
と、何度も何度も壊れたファービーみたいに繰り返す自分に嫌気がさしてきた。
喪中以外の人に「あけましておめでとうございます」についてはまぁいいと思う。
しかし
「今年もよろしくお願いします」の「も」の中には
「モチロン昨年も私のために尽力してくれたと思いますが、またよろしくお願いしますね今年も」
というフリーザ様的ニュアンスが含まれている。
ならば、いっそここはハッキリと
「去年は正直微妙だったので、今年こそはよろしくお願いしますね」ペッ
と言ってしまった方が、先方の為になるのではないか?よりフリーザ様に近づけるのではないか?
と考えた私は1/5までの間、会う人間のことを「ザーボンさん」と呼ぶことにした。笑い方もホホホに変えた。
「ホホホ、あけましておめでとうございます、今年こそよろしくお願いしますよザーボンさん」
まだ足りない、何かがフリーザではない、何故なのか。私の何がフリーザではないのか。
服か?服を着ているのがフリーザではないのか?と全裸にもなった。
ナメクジに塩をかけたり、ヒドい事をしてみたりもした。
しかし、鏡を覗けばそこにはフリーザではなく、全裸で塩を握りしめ笑う、哀しい目をした変態の姿があった。
私は泣いた。ギャンギャン泣いた。
誰かが優しくしてくれるのを期待して泣き続け、やがて年が明けた。そんな大晦日だった。
その後も私は泣き続けたが、皆私の事を見えないフリをして過ごしていた。時にゴキジェットや粗塩をかけてくる人もいた。
そして私はついに一つの答えにたどり着いた。
それは指の形だった。
フリーザの指は三本だったのだ。
奇しくも今年は酉年。これは何というデスティニー。ここは東京デスティニーランド。ハハッ
今年もよろしく(裏声)